アイビーシーパブリッシング (2005/08)
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こんなこと知らないなんて
S上さんから勧められて買った本。
初めての海外出張(25歳くらいの時かな)で痛感したのは、海外ではこんなちっぽけな自分が日本代表になるということ。海外出張や海外旅行に行くとき、行く先の国について調べていくのはもちろんだが、いざ着いてみると当然ながら、相手は日本のことを知りたがる。そしていかに日本について、自分が無知かを知るし、いかに自分が日本に自信を持っていないかを知った。
たとえばこんな質問。
「家から富士山までどれくらい?」
「君の住んでいる都市の人口は?」
「郊外に住む人と都心に住む人の割合は?それはなぜ?」
「最近若者の間で流行っているものって何?」
「いつか日本に行きたいんだけど、東京でおすすめはある?」
「日本てクールだよね。あなたはどの辺がクールだと思う?」
などなど。このときの返答が「いやー僕はそこは専門じゃないから」とか「いつも気にしていないから」だとやはり寂しい。日本のことはすべて答える勢いで臨みたい。
真の国際人になるにはまず自分の国、日本のことをよく知ること、および日本語について完璧であることが大事というのをよく聞くが、そのときの初海外出張ではそれを実感した。
著書、「国家の品格」の中で藤原正彦氏が、英語教育を小学校から始めることが国際人になることとはまったく関係なく、むしろその時期は日本について、また、日本語をきちんと修めることが重要だと述べている。この部分は、海外の人と仕事をしていると確かに頷ける部分だ。
英語なんて困ってから学べば何とかなるんじゃないかな(ロータスの時の先輩もそう言っていた)。外人(英語話者)が日本人に望むのは、流ちょうな英語ではなくて、コンテンツ(日本のこと、日本マーケット、広報などの特殊性についてなど)そのもので、それらがしっかりあれば、へっぽこな英語でも伝わる。下手な英語で笑われたりしない。むしろ内容に聞く価値あり、と思えば、一生懸命聞いてくれる。
だから日本のこと、他の国と日本の違い、どこが日本は優れているのか、どの辺がだめなのか、ということを自分なりに考えていることが国際性を養うことにつながると思っている。日本人である自分に価値があるのは、まさにその部分だから。
英語のテクニックばかりが上達して、欧米かぶれしているのは、国際人じゃなくて、単なる欧米化した日本人に過ぎなく、それって海外の人には重宝に思われないんじゃないかな。というのも海外のことなら、海外の人の方が詳しいんだから。日本人は日本のことを詳しくなるのが大事。
この本は、そのことに気づかせてくれる、と言う意味で良いと思う。
海外へ行く飛行機の中などで読めば、日本についての質問の一夜漬けにもなるだろう。日本人が日本のことを一夜漬けで覚えるなんて変だけど。
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