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宣言通り、日曜日に後編を見ました。
純粋に感動する場面が多かったです。
ただやはりこの映画は、資本主義の常識とマザーテレサの考え方の対比がメインテーマなのですね。いくつか象徴するやりとりがあります。
Q 「誰があなたをファンドしているのですか?」
A 「ファンドはありません。この行為を神がお望みなら、必要なお金は(自動的に)集まってきます」
Q 「組織化しないと長期的に存続しませんよ」
A 「貧しい人々に、今できることを、小さくても尽くすことが大事です」
Q 「ちゃんとしたストラテジーを持たないと世界各地にある施設を管理できませんよ」
A 「ストラテジーなどいりません。神がお望みであれば、存続するでしょうし、そうでなければそれまでです」
特にストラテジーに関しては、僕も共感を覚える部分があります。ストラテジーを立てることは大事ですが、それはそれそのものではなくて、ストラテジーを立てるに当たって想定したリスクなどが大事なのであって、完成したストラテジー自体は固定すべきでないと思っています。ちょっと趣旨は違いますが、いくらストラテジーを立てたところで、必ず予想外の出来事が起こります。そのとき完成した立派なストラテジーそのものに固執していると、見誤る危険性があります。
中途半端なストラテジーを立てたり、またはたとえ熟考を重ねたストラテジーであってもそれに凝り固まった運営しかしないのであれば、むしろストラテジーなど立てずに、日々小さいことを臨機応変に社会の必要とするものをこなしていく方が、「良い(*)」のではないか、とはよく考えます。
(*) 良い、と主観表現で書いたところがポイントで(笑)、広い意味(長い目で見て)自分が心地よいかどうか、が重要です。僕の場合。
終盤にさしかかったあたりで、マザーテレサ自身が孤独を感じるシーンがあります。そこであらゆる啓発本にも勝る元気になる台詞が印象に残りました。
マザーテレサがこの道を志したときと同様、道ばたに横たわった病人が力なく手招きします。(これは映画の冒頭で出てきた、キリストの化身という設定です)
その瀕死の人に手招きされ、跪いたマザーテレサは病人に自分の孤独感を伝えます。病人は
Q 「あなたの行為は、あなたの主が望んでいることなのですか?」
A 「わかりません」
さらに病人は続けます。
「安心しなさい。もしその主が、良い主であれば、彼のために働く人を忘れたりしない」
僕も昔そうでしたが、上司が自分をどう思っているのか、下っ端の頃はなかなかわからないものです。マネージャになって初めて、昔の自分の上司の悩みを知ります(親になることと似ているかも知れません)。そんな人も元気なる言葉だと思いました。
「安心しなさい。もしその主が、良い主であれば、彼のために働く人を忘れたりしない」
もしそれでもなっとくできなかったら、悪い主だったと。笑。
あれ?
Anyway, 「マザーテレサ」は、普通に感動したい人にも、ちょっと違う視点から現在の自分の境遇を見つめたい人にも、単に宗教に関心がある人、それぞれ楽しめる映画と思います。
おすすめします。
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