昨日、日曜日にWOWOWの連続ドラマW「パンドラ」が最終回を迎えました。脚本を「白い巨塔」で有名な井上由美子さんが、担当されている医療サスペンスです。ドラマ開始前のインタビューで井上さんは「視聴率などを考えなくて良い、というところが脚本家としては嬉しい」と話していました。主演は三上博史さん。
毎回とても面白かったのですが、このような伏線が張り巡らされたドラマはどのように終わらせるかというところがポイントになってきます。つまり面白かったかどうかは、結局、終わり方にあるのかもしれません。その点に関してこの「パンドラ」は秀逸だったと思います。最終回で、ちゃんと「終わらせて」いました。一ひねりを求めるあまりに、視聴者を完全に裏切り、見た後に嫌な気持ちになるようなドラマが多くなってきた中で、そういう風に「嫌な終わり方」にしなくてもちゃんと「心地よく視聴者の予想を外すことができるんだよ」という無言の提言のようでした。しかも決して偽善的に終わるわけでもありません。筋はそれぞれの主人公に一本通っていて(良い筋も悪い筋も)、最後までぶれません。開発されたある特効薬を巡って、多くの人の人生が狂っていきます。自業自得といえばそれだけですが、分かっていてもそうしてしまう人間の弱さや、社会の荒み、それから人間の「愛」が自らをそして相手もおとしめていくという矛盾も描いています。国家権力の強大さ、井上さんお得意の大学病院医療の裏側(本当にそうなのか分かりませんが)などを見せてくれるのも興味深いです。
とにかく楽しめた全8回でした。
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