浅田 次郎
新潮社 (2007/04)
売り上げランキング: 209
新潮社 (2007/04)
売り上げランキング: 209
おすすめ度の平均:
八重殿の気持ち格好良いぞ、彦四郎
全うすべき己の人生とは何か?
非常におもしろかったです。
幕末も幕末、徳川慶喜が水戸に舞い戻ってきたころにクライマックスを迎えます。
妻夫木聡主演でこの6月に映画化もされたのですが、(僕は映画を観ていませんが)、読んでいる間中、主人公の彦四郎には妻夫木聡の顔が頭に浮かんでいました。まるでアテ書きされているかのようです。是非映画も観てみたいと思います。
相変わらずの浅田節で、笑わせ、泣かせてくれるのですが、今回は昔の江戸言葉がリズムよく、読んでいて心地よいです。
かっちょいいフレーズ(セリフ)をメモしておきます。
「『人はいつか必ず死ぬ。だが、限りある命が虚しいのではない。限りある命ゆえに輝かしいのだ。』」
「『喧嘩ってのァ、待ち負けじゃあねえ。勝ちっぷりと負けっぷりだ』」
「『かくして拙者は、神と人の総意に抗いまする。正義は必ずしも社稷(しゃしょく)にあらず、常におのれがうちにありとしんずるがゆえにござりまする。武士たるものの徳目は、ひとえに勇なりと心得まする。しからば誠の勇とは、孔夫子が曾子に諭したごとく、自ら反みて縮(なお)くんば千万人と雖(いえど)も吾往かんの大勇にほかなりませぬ。』」
最近のコメント